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★スピーカーユニット固定のネジの材質 |
(このページの製作者は 頭蓋調整、その他治療 のプラクティショナーです) |
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T、ネジの違いによる音質の違いに気づくまで |
★はじめに |
アンプやCDプレーヤー、スピーカー等は、幾つものパーツで構成されており、ネジで組み立てられていますが、このネジの材質によっても音は変わります。 このネジですが、使われる場所によっては、想像以上に音のキャラクターに影響を与えていると、私は思います。 |
オーディオは、詰まるところ、振動板により空気を振動させて音を出しているのですが、システムを構成するパーツの固有の振動モードは、その再生音に何等かの影響を与えています。 同時にこれらの固有の振動モードは、パーツ同士の境界面で発生する混変調歪に影響を受け、この境界面での接合のテンションをかけているのがネジであり、この事が想像以上にネジが振動モードに影響を及ぼしていると思われる理由です。 |
私自身、この事に気が付くまで、ネジについては取り立てて気に止めておらず、錆が嫌いと言う理由で安易にステンレスのネジを使っていました。 (ステンレスは錆びずらい金属ですので) |
★スーパーツィーターの改造をしていて | |||||||
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ある日、パイオニアのリボン型スーパーツイーター、PT−R7Vの音質を向上させる方法を考えていて、裏側のターミナルを固定しているプレートを、プラスチックからアルミに交換してみる事にしました。 |
オーディオのハードを構成するパーツと再生音の関係ですが、冒頭に書いた通り、パーツには固有の振動モードがあり、この振動モードが再生音に影響を与えています。 言い換えると、パーツには固有の『 音調 』がある訳ですが、この音調の最も直感的な感じ方は軽く叩いて、響きをみる事です。 かなり感覚的な世界になってしまいますが、この『 叩いた時の感じ 』が再生音の雰囲気とかなり一致しているケースがあるからです。 |
話を戻して、ターミナル固定のプレートの交換の狙いですが、オリジナルのプラスチックプレートを叩いた時の 『
鈍く響きの無い音 』 から、アルミプレートを叩いた時の、『 澄んだ伸びのある音
』 への変化を期待した訳です。 |
★しかし・・・・ |
さて、改造の結果ですが、予想とは全くの反対の音調になり、かえって伸びが失われたこもった感じの音になってしまいました。 |
変化が無いのなら、 『 リアプレートの音調に対する影響は少ない 』 と言う事で納得出来るのですが、かえって冴えないとなると、どうしても納得が行きません。 そこで、PT−R7Vの交換したリアの部分をじーっと眺めていると、取り付けのネジが鉄製の皿ビスから、ステンレスの六角穴つきボルトに変わっている事に気が付きました。 このネジが原因かも知れ無い、怪しいと思ったらまず行動、実験してみるのが早道です。 早速ボルトのみを鉄製に戻すと、アッと驚くことに、最初の狙い通りの音調に変化しました。 変化の量より、ネジによる音の変化に驚いてしまいました。 |
解った事は、リアプレートをプラスチックからアルミプレートに交換すると、音の純度はアップし、しっかり感が増し、音圧も若干アップしたように聞こえます。 しかし、それよりなにより、プレートを固定するネジの材質で、振動モードがかなり影響される事に気が付きました。 ただ、今回の差は、一般の装置では解りづらいかも知れません。 少なくとも、機器を繋ぐケーブルの質と方向性、置き台、フィルターコンデンサーのクオリティ、等々のファクターが吟味されている必要はあると思います。 スーパーツイターの角度を合わせるために雑誌を挟む等は・・・、まあ好みの問題ですが・・・・・。 |
しかし、これだけでは、この変化はPT−R7V固有の問題の可能性があります。 そこで、これまでも色々と工夫していた、ET−703のハウジングユニットの固定ネジを鉄からステンレスに交換してみると、やはり同様の音調の変化が感じられ、ネジの音質への影響を確信するに至りました。 |
しかし、ステンレスが全てこの様な音調を持っているとは限らないと思います。 実際、ホーンの部分がステンレスの削り出しで出来ている超高級スーパーツイーターも製品化されており、同じステンレスと言っても、種類は色々あり、またネジの場合は鍛造と言う製造工程で製造されており、この製造過程で歪みが蓄えられてしまい、その歪みとステンレスの相性でこの様な音調になっている可能性が十分に考えられるからです。 |
U、FE−206スーパーの固定ネジ |
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★メインシステムはどうする? |
こうなって来ると、メインシステムである、フォステクスのフルレンジユニット、FE−206スーパーを固定するネジが問題になって来ます。 この部分も、錆が嫌なので、安易にM6のステンレス製の六角穴つきボルトを使っており、更に、ワッシャとスプリングワッシャもご丁寧にステンレスで揃えていたからです。 先ず、鉄製に交換してみると、あっと驚く変化で、スーパーツイーターと全く同じ傾向の変化が感じられ、鉄の方が私の好みに合っていました。 |
ここで、当時新製品として売り出されていた、ダイアトーンのプロフェッショナルモニター2S−3003、定価がペアで¥3000000−(30万円ではありません、300万円!!)のユニット固定ネジは、チタンを使っていると雑誌で読んだ事を思い出しました。 こうなると、私のシステムもチタンのネジを使ってみたくなります。 そこで、色々と仲間に尋ねてみると、どうやら、バイクの関連ショップでチタンのネジがあるらしい事が解りました。 そこで、バイクの雑誌を当ってみると、これが大正解。『 ありました!! 』 どうやら、バイクのエンジンのシリンダーヘッドを固定するネジとして、チタンのネジは付加価値が出るらしく、広告には、『 フェラーリ純正 』 とも書いてありました。 しかし、問題は価格で、ネジサイズがM6×30の場合、1本¥1730−、チタン製のワッシャも製品化されており、1枚¥630−、FE−206スーパーは取り付け穴が4個ですから、1個2万円のユニットに対し、チタン製の取り付けネジを使用すると、ネジ代が約1万円になります。 『 さすがにフェラーリ純正だけの事はあるな〜 』 と、妙に納得するものはありました。 しかし、もう後には戻れない、 『 毒を喰らわば皿まで 』 の心境でペア分で8セット購入しました。 |
この時、『 FE−208スーパーで無くって良かったな〜。 』とつくづく実感。 FE−208スーパーは、ユニット1個あたり、ネジ穴が8個あるのです。 ついでに、『 毒を喰らわばもう一皿 』との心境で、同じショップで扱っていたアルミのネジとワッシャも購入、これはチタンほどは高価では無かった。(ユニット1個につき約¥2500−) |
★チタンボルトの音質はいかに・・・・ |
さて、チタンボルトの音質ですが、期待どうりの素晴らしいものでした。 オーディオ的には、超ハイファイと言う感じで、周波数レンジも更に広くなった感じ、特に高息の伸長は目覚しいものがあり、それまでうまい組み合わせが見つからなかったスーパーツイーターを載せなくとも十分鑑賞に耐える音に進化しました。 同時に音圧レベルも2〜3dBアップした様に聞え、音に凄みが出て来ました。 音色を色に例えると青白い感じ、炎に例えると、鉄のネジがアセチレンバーナーのイメージならば、チタンのネジはガスバーナーのイメージがしました。 私がメインに聞く音楽は、バッハのハープシコード曲ですが、ハープシコードの澄んだ響きが更に冴え渡る感じで、変化の方向性も相性バッチリの感じでした。 いずれにしても、これなら、2万円の価値は十分にあると実感。 実際、ネジをチタンに変え、システムの変更が打ち止めと成ったゴトーのSG−160を入手するまでの半年間、スーパーツイーター無しで音を出していました。 |
V、ネジの違いによる音調の変化 |
結局、手許に、鉄、アルミ、真鍮、ステンレス、チタン、合計5種類のネジを集めてしまいました。 オーディオ的に気に成る材質としては、残るはベリリウムくらいですが、これは恐らく入手不可能でしょう。 以下、各材質について私の感じたの特徴を書きます。 |
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結果として、最も安価で、入手の容易な鉄と、最も高価で入手しずらいチタンが、双璧と言うのは何か、皮肉な気がしました。 |
仕事場のセッションルームで使っている、自作FE−168Σバスレフの固定ネジは、迷わず鉄製の六角穴付きボルトを使っています。 |
W、余談ですが・・・・ |
最近、チタン製の調理器が出回って来ました。 チタン大好き人間の私としては、使ってみると、これが大変結構。 |
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ケットル | 炒めナベ | 片手ナベ |
X、カメラも勿論・・・・・ |
コンタックスT2チタンブラック、オリンパス OM−4チタンブラック |
(最近は、デジカメオンリーで出番は激減ですが・・・・・・・) |
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T2チタンブラック | OM−4チタンブラック + 35mmF2.8 |