NS−1000M改造 | (HOME) |
(このページの製作者は 頭蓋調整、その他治療 のプラクティショナーです) |
私の最初に使った本格的なスピーカーは、ヤマハのNS−1000Mでした。 1000Mは日本のオーディオの歴史の中でも、記録的なロングランを誇ったエポックメーキングな製品で、現在も愛用している人は多いと思います。 |
★私は都合2回の改造を施しましたが、かなりの変化がありました★ |
この経験から、市販された状態のままの1000Mはマスキング的なキャラクターに支配されており、ユニットやエンクロージャーの本来の能力は発揮されていないように感じました。 (それが良いか否かはまた別だと思います) |
★1回目の改造 |
最初の改造は、小改造で、コンデンサーの交換でした。 具体的には、スコーカ−のローカットフィルターに岡谷のVコンを並列に追加し、ツィーターのローカットフィルターは同じ岡谷のVコンに交換してみました。 しかし、音は殆ど変化せず、この程度の改造では1000Mの持っているシステムとしての壁を破る事は出来ない感じでした。 そこで、2回目の改造に踏み切りました。 |
★2回目の改造 |
@配線材の変更 内部の配線材を、LC−OFCに全面交換。 |
Aコンデンサーの改造 スコーカー及びツィーターのハイパスフィルター(直列に入り、音楽信号が流れます)は、岡谷のVコンと太陽通信のλコンに全面交換。 ウーハー及びスコーカーのハイカットフィルター(並列に入り、音楽信号は流れません)は、岡谷のVコンを並列に追加。 |
ハイカットフィルターの場合は、素子としてのインピーダンスを下げる効果があります。 |
![]() Vコン 1.0μF |
![]() Vコン 2.2μF |
![]() λコン 1.3μF |
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東芝がオーレックスのブランドでオーディオに参入した初期のころ、 このコンデンサーを大量に高級プリアンプに使っていました |
最も音が良いと言われる 伝説(?)のコンデンサー |
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★この頃は、λコンが秋葉原で入手可能な良き時代でした★ |
Bターミナルの変更 1000Mのターミナルは、ワンタッチ式のお手軽なタイプですが、オーディオ的にはいまいち。 そこで、空いているスペースを利用し、5.5スケアのキャブタイヤケーブルも使用可能なターミナルを設置。 |
C配線の引き回しの変更 1000Mのネットワーク素子は、プリント基板にマウントされ合理的に構成されており、また、ターミナルからプリント基板までは、細い単線(直径0.7mm)で接続されていますが、これもオーディオ的にはいまいちです。 そこで、LC−OFCケーブルで各パーツ、ユニットを直結で結線。 |
D半田結線の工夫 半田はマルチコア社の銅入りタイプを使用、半田が溶けているうちに結線部をラジオペンチでつぶして信号が半田を流れる事を極力防止。 |
E吸音材の取り出し グラスウールが一杯に充填されていましたが、約半分に減らしました。 |
★改造後の音質 |
改造後に音を出すと、あまりの激変ぶりにしばし言葉が出ませんでした。 最大の変化はウーハ−の鳴りっぷりで、ハードでゴツイ低音がバリバリと飛び出して来ました。 当時、低音が弱いと言われていた1000Mとは、全く別人のキャラクターでした。 1000Mのウーハーは、かなりの潜在能力が潜んでいたようです。 中高域も変化はあったと思いますが、低域の変化の前に、かすんでしまった感じでした。 置き台は、ブチルゴムでダンプし黒の化粧シートを貼ったコンクリートブロックを片チャンネル4個使用、4点支持として使っていましたが、底面の中央を触ると盛大に共振している事が解り、アンカーボルトとロングナットで底面の中央に床からテンションをかけ、底面の共振を抑えてみました。 これにより低音は更にクオリティーアップし、立ち上がりが良くなり、音程も明確になりました。 この2回の改造で、当時巷で言われていた1000Mの音質は、このワンタッチターミナルとターミナルからプリント基板への細い単線へのハーネスにより、情報量が減少した末でのキャラクターの様な気がしました。 |
★私なりの結論として |
市販された状態のままの1000Mは、私のようなオーディオマニアには物足りないキャラクターですが、一般の音楽ファンには、この部分で情報量が整理され、逆にシビアな使いこなしが要求されない一面があったと思います。 これは、極論的に言い換えれば安易に畳にポンと置いただけでもそれなりのクオリティを発揮し、期待通りの音が出易いので、当時の時代性の中でこれほどのベストセラー、ロングセラーに成ったのでは無いかと思います。 |
★しかし・・・・ |
私は、これらの改造や使いこなしで、良くも悪くも1000Mの限界は見えてしまった感じでした。 最終的には、パイオニアのリボンツィーター(PT-R5)を追加し、変則4Wayとして使っていました。 |
![]() PT−R5 + 自作ウッドケース(アッテネ-ター付) |
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アッテネ−ターも、当時市販されていたヤマハ製を使用、1000Mとデザインを揃えていました |
周波数レンジや、ハープシコードの金属的な響き等はそれなりに満足していたのですが、全体で見ると変則4Wayのネットワーク素子による音の濁りを感じてしまい、スーパーツィーターを外すと確かに濁りは減少してスッキリするのですが、超高域の伸びは明らかに減少する感じで、完全に行き詰まった感じでした。 ここで、一頑張りしてランクが上のスピーカーにグレートアップする手も在ったのですが、元々自作指向で、長岡鉄男氏がリファレンスとして使っていましたし、最もシンプルで複雑なネットワーク素子からも開放されるバックロードホーンシステムにシフトする事にしました。 |
もし、1000Mをお使いで改造を試みるのであれば、 |
@ターミナルの変更 |
A各パーツの直結(配線材はそのままでも良いと思います) |
B直列に入るコンデンサーの小改造 |
以上の3点がコストパフォーマンスが高いと思います。 尚、本ページは改造等のヒントを提供するものです。 電気製品の改造は短絡等の危険がつきまといますので、改造を行なう場合は自己責任でお願いします。 |