セッションルームのオーディオ (HOME)
FE−168Σ 自作バスレフスピーカーシステム
セッションルームでは、頭蓋調整、その他治療 を、完全予約制で行なっています。
@ 頭蓋仙骨治療
頭蓋を手技で治療します
A ストラクチュアルインテグレーション
全身のバランスを調整します
B 内臓マニュピレーション
内臓を手技で治療します
C 秘教治療
エーテル体を治療します
上質な空間を提供するために、オーディオシステムも十分に吟味されたものをセットしています。
T、現在のシステム
セッションルームの装置は以下の構成になっています。
プリメインアンプ
TA−F5000(ソニー)
CDプレーヤー
VRDS−9(ティアック)
スピーカー
FE−168Σ(フォステクス)、自作バスレフエンクロージャー
スーパーツイーター無し
TA-F5000
VRDS−9
セッションルームのオーディオは、オーディオとしてのクオリティを確保したかったので、開業時には間に合いませんでした。
しかし、オーディオ導入の準備は進めていて、購入する予定の機材は既に決まっていました。
何れも、今は亡き長岡鉄男氏の推薦機種で、ともにハーフサイズの単品コンポです。
スピーカーもやはり長岡氏推薦のコンパクト同軸2ウェイスピーカーのティアックS350を考えていました。
★機材の購入
まずアンプですが、東京に戻り、最初に吉祥寺にセッションルームを捜しに不動産屋の下見に行った時、ラオックスに立ち寄ると新品のF5000を半値で売っていました。
これは中古より安い、とりあえず購入。
スピーカーもその年の秋にアキバで偶然新品をみつけ、4割引で購入。
残りはCDプレーヤーですが、その年の暮れに購入を決意してフラッと秋葉原に行くと、ダイナミックオーディオのサウンドハウスで新品が52%引き、これも中古より安い価格でした。
あまりのタイミングの良さに 『 何かが私を後押ししてくれているのだろうか。 』 と言う気分になりました。
U、装置のチューニング
仕事を始めた翌年の春、ようやく導入をスタート。
先ず最初に自宅で音出しをしましたが、未対策の状態ではやはりいまいちで、チューニングを開始する事になりました。
★電源の極性のチェック
電源プラグの極性は、とても重要で、機材のセッティングの第一歩です。
極性により、再生音の広がり感、抜けの良さがかなり左右され、このチェックを怠ると、出だしでクオリティが損なわれてしまいます。
これは、聴感で確認しますが、機材のパネルを触った感じでも感じられる時もあります。
★脚の交換、インシュレータ及び鉛のウェイトを追加
次は、脚周りのチューニング。
アンプとCDの脚をプラスチック製からアルミ削り出しに交換、更にブチルゴムと銅板の自作積層インシュレータをアルミの脚の下にはかせます。
更に4本脚のガタを銅板のスペーサーを挟み完璧に取り、アンプとCDの上に鉛のインゴットを載せます。
これらは全て振動モードのチューニングで、オーディオ機器は音を再生するとその機器自体も共振しており、如何に素直に共振を減衰させるかで再生音のクオリティが決まります。
アルミ削り出しの脚

自作積層インシュレータ
鉛のインゴット
具体的な音の変化は、脚をオリジナルのプラスチック製からアルミの削り出しに交換すると、高域の抜けが良くなり情報量も増え、サラサラとした気持ちの良い音になりますが、同時に歪みも軽減されるので少し軽い感じになりました。
そこで、自作インシュレータ−をはかせると重心が下がり、低域の解像度及び高域の伸びも改善されます。
さらに、鉛のインゴットを乗せると、全域に音が締まり周波数レンジも更に広くなります。
ケースのボンネットが共振して音を濁らせている事が良く解ります。
★ケーブルの交換
機器と機器をつなぐ接続ケーブルも重要です。
今回も、長岡鉄男氏推薦のキャブタイヤケーブルを使用したピンピンケーブルを、必要十分な最短の長さに自作して使用します。
プラグは、コレット構造のパーツを使用しています。
キャブタイヤケーブル

コレットタイププラグ
接続ケーブルを自作ピンケーブルに交換すると、これで音の骨格がしっかりして来ます。
ピンプラグのコレット構造は効果絶大で、コレット部分を締めて行くと、低域の情報量や解像度がリニアにアップして行く事を確認できます。
この時、ケーブルの方向性は極めて重要で、方向性によって音の広がり感やヌケがかなり違って来ます。
また、このピンプラグは、一般的に良くみられるグランド側が2個のパーツをカシメて一体とした構造では無く、削り出しによる一体構造のため、精神衛生上もとても良い感じです。
尤も、パーツとしてはかなり高価ですが。
★ラックに収納
次は専用に新しく自作した高剛性オーディオラックに収納します。
板厚24mmの合板で製作、人が乗ってのビクともしない、これも塗装の有無で音が変わるので、木目を活かしてオイルステインで着色したあと塗装。
ラックは必要悪で、しっかりした床にじか置きがベストですが、実用上そうも行きません。
市販の中空の板材を使ったラックは、見栄えは良いけれど強度不足で音質的にいまいちです。
強度不足の場合、チュ−ニングを行なっても効果が出ない場合があるようです。
仕上げはスピーカーの改造
スピーカーも、ウイークポイントに若干の手を加えることで、効果的にクオリティアップを図れる場合があります。
このスピーカーはウーハーがスルーでクロスオーバー周波数が3KHz、18dBクロスの2ウェイですが、ネットワークの素子はかなり品位の低い部品が使われています。
価格から考えてこれは致し方無いところですが、改造ポイントです。
今回は高級なコンデンサー1個の6dBクロスとし、クロスする周波数は聴感で決め、吸音材は半分に減らします。
S-350 (ティアック)
2.2μF、フィルムコン(UΣ)
アマチュアの改造の場合、試行錯誤のパラメーターの部品を全部揃えるのはきついので、コンデンサー1個の6dBクロスで済めば、簡単で良いと思います。
まずオリジナルのネットワークと配線を全て取り去り、OFCケーブルで配線をやり直し、ダミーターミナルをつけて、簡単にカットアンドトライが出来るように改造します。
最初に1.5μFを接続してみますと、少しクロスオバー付近で落ち込む感じ、そこで2.2μFに交換、なんとかつながった感じ、しかし、少し薄味でオリジナルのネットワークはネットワーク素子の付帯音も音作りに一役買っていた事が感じられます。
これ以上コンデンサーを大きくすると、オーバラップが少し多すぎる感じで、2.2μFに決定。
計算上は、4.5KHzでクロスさせている事になり、まあ、妥当なところでしょうか。
コンデンサーは、フォステクスのUΣ を使用、このコンデンサーはフィルムコンですので、構造上は極性が無い筈ですが聴感上は極性が存在します。
ケーブルにも極性があり、共に聴感で好みの方向に揃えます。
伝説のコンデンサーである、タイツウのラムダコンがあれば良いのですが入手不可能では致し方ありません。
トータルとしては若干薄味ですが、レンジが広くヌケの良い音調に仕上がりました。
★セッティング (使いこなし) の急所は、3項目です
 @ガッチリしたラックに収納
 A電源の極性をチェック
 Bケーブルの方向性をチェック
まずこの部分をクリアーにしないと、音にマスクがかかってしまい、その後のチューニングを遣っても差が出にくい様です。
V、スピーカーシステム新規自作
暫く前記システムを使用していましたが、スピーカーの能力に限界を感じてしまいました。
やはり、スピーカーは自作する以外には解決のしようが無い感じで、自宅と同じ形式のバックロードホーンを入れたいところですが、スペース的に無理があります。
そこで、一発奮起して、サブロク1枚を可能な限り効率よく使い、かつ設置面積を最小にした、トールボーイタイプのスピーカーを設計製作する事にしました。
★スピーカーシステムの新規設計製作
先ずユニットの口径ですが、10cmでは設置面積が小さくなり不安定、低域のレンジも狭そう、20cmでは大き過ぎの感じで、中をとって16cm、フォステクスのFE−168Σ を使用することにしました。
形式は、低域のレンジは欲張らずに程々の量感も得られるように、ヌケの良さも欲しいのでバスレフとしました。
FE−168Σ、自作バスレフシステム
21mmシナ合板使用、オイルステイン着色、塗装仕上
FE−168Σ
ターミナル
自作置き台
表面の塗装も音質に影響します、美しく正確に仕上げられたエンクロージャーは美しい音がします
実際の設計ですが、バスレフの場合、最も重要なの部分はポートの形状で、設計上の共振周波数をどこに取るかがポイントになります。
気分的には、ワイドレンジを狙って、共振周波数を40〜50Hzにしようかと思いましたが、無難な線で50〜60Hzに設定して設計を進めました。
設置後、周波数特性を計ってみると、低域は60Hz辺りに山があり、高域は10KHz辺りからダラ下がりでした。
バスレフのポートの設計はうまく行った感じです。
高域は、スーパーツィーターを乗せることで、50Hz〜20KHzフラットな周波数特性を実現出来ましたが、これだと聴感上少しうるさいく、一長一短な感じでした。
個人的にはシンプルな方が気持ちが良いので、フルレンジ一発に落ち着きました。
聴感上は50Hz〜20KHzフラットな周波数特性と言って良いと思います。
★プロテクターの追加
最初は、プロテクター無しで使っていたのですが、やはり仕事場ですのでプロテクター無しは無理があります。
もし、ユニットを傷つけてしまうと、落ち込みそうです。
前もって、プロテクター用のネジ孔をあけて、裏側に鬼目ナットを埋め込んでおきました。
そこで東急ハンズの渋谷店に行き、使えそうなものを物色すると、手ごろなパンチングメタルを発見。
一般的なサランネットは、音の鮮度が落ちるので避けたいところです。
自宅に持ち帰り、ディスクグラインダーで切断、成形、曲げ加工、切断面は錆が発生しないようにクリアー塗装、外見もサランネットより業務用の雰囲気がでて良い感じです。
(自我自賛の世界です。。。)
音質的には、パンチングの孔径が大きく、パンチングメタル自体に肉厚があるため共振が起こりづらいのでしょうか、鮮度の低下は殆ど感じませんでした。
自宅のシステムもプロテクター用のネジ孔は作ってあるので、いずれは、同タイプのプロテクターを作ろうかと思っています。
パンチングメタルのプロテクター
落下防止のため、上縁を折り曲げました
W、まとめ
このサイズと価格にしては、なかなかのクオリティだと思いますが、やはり自宅のシステムと比べると、その差は限りなく大きい感じです。
特に、低域のクオリティは決定的な差があり、バスレフの低域はポートの共振で音圧を稼いでいるためでしょうか、共振によるリニアリティの低下を感じてしまいます。
これは、私の設計が不適切なのかも知れませんが。
しかし、ソフトによっては、自宅のシステムを上回るパフォーマンスを見せてくれる事も事実であり、装置とソフトとの相性の問題は奥が深いと改めて感じています。